映画 ルース・エドガー を見た。

予告編でサスペンス的なものかなと興味を惹かれていたので見てきました。サスペンスではなく骨太なドラマでかなり引き込まれました。黒人の人種差別が織り込まれていて今アメリカの大規模なデモが有りタイムリーです。映画を見て日本人では分りづらい根深い問題なのがわかります。単純に差別されるだけではなく黒人の中でも様々な立場に追い込まれているということも描かれています。その中で主人公は演じることで優等生的な立場を守ります。人種差別とともに親子関係などの大人と子供の関係というものも大きなテーマとなっています。結果的にいわゆる意識高い系の養母は自分の理想を押し付けるいわゆる毒親であり養父はようやくそれに気づいて現実を認めようとしています。先生は自分の保身のために生徒を操作しようとしています。どちらも大人の都合で子供に立場を押し付け利用しようとしています。主人公は巧みに罠にかけたり利用したりしますが素の自分は等身大の高校生であったりします。結局、主人公は適応するために演じていてミステリアスに写りますが実際は周りの環境によって演じさせられています。これは普遍的な問題と思います。以上、内容はかなり良い出来でした。派手なCGはなくアメドラを見ているような感覚でした。ただこれだけ良くても、家で集中して見られるかといえば自信はありません。集中して見られることが映画館に行くことの最大のメリットですね。おすすめです。楽しめました。